『県庁おもてなし課』を読んだ感想と考察!

☆宝箱☆

こんにちは、ゆでぃです。

私のブログでは超有名な本から少しマイナーな本まで幅広く紹介しています。

ぜひ、宝探しのような感覚で楽しんでいってください。

今回は有川浩さんの小説

県庁おもてなし課について紹介していきます!


県庁おもてなし課 (角川文庫) [ 有川 浩 ]

核心的なネタバレは避けますが、未読の人はお気を付けください。

こんな人におすすめ

  • 恋愛、仕事、家族という要素すべてを盛り込んだ小説を読みたい人
  • 高知県に興味がある人
  • 読書好きなすべての人

基本情報

  • 著者:有川浩
  • 出版社:角川書店
  • 出版年:2011年
  • 2013年に映画化されている

あらすじ

とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。

若手職員の掛水史貴は、地方復興企画の手始めに地元出身の人気作家・吉門観光特使を依頼する。

が、吉門からは矢継ぎ早に駄目出しの嵐ーどうすれば「お役所仕事」から抜け出して、地元に観光客を呼べるんだ!?

悩みながらもふるさとに元気を取り戻すべく奮闘する掛水とおもてなし課の、苦しくも輝かしい日々が始まった。

地方と恋をカラフルに描く観光エンタテインメント

(小説「県庁おもてなし課」裏表紙より引用)

感想&考察

今回は有川浩さんの小説、「県庁おもてなし課」を読みました!

最近読んだ本の中では少し長めの小説だったのですが、一瞬で読み終わりました。

完全に小説の世界に没入していました。いつのまにか自分もこの小説の舞台である高知県にいて、県庁で働いているような錯覚をしていました。

有川さんの小説には、人を惹きこむ力があるなと再確認させられました。

高知県への愛情

この「県庁おもてなし課」を読んだとき最初に驚いたのは、舞台である高知県に関する圧倒的な情報量です。

登場人物たちはもちろん土佐弁を使い、土佐人ゆえの一風変わった気風を持っていました。

加えて高知県の名産や観光スポットで有名なものからマイナーなものまで紹介されていました。

そして高知県に実在する「おもてなし課」と、フレキシブルな名前とは裏腹にその中にもいまだはびこる「お役所体質」についても言及されていました。

この小説を読めば高知県のことをざっくり理解することができるというところまで情報が凝縮されていました。

なぜこんなに詳しいのか、その理由は結構単純でした。

有川さんが高知県出身だったのです。

とはいいつつも、自分の住んでいる県とはいってもこんなに詳しくなれるのでしょうか。

わたしはこの小説で有川さんの地元・高知県への愛と、高知県をなんとか盛り上げたいという意地のようなものを感じました。

実際、超少子高齢社会である日本は、田舎の過疎化が急激に進んでいますからね。高知も例外ではないでしょう。

有川さんの地元に対する情熱は確実に伝わってきました。

なんせ高知県が私の中の「自粛が終わったら一番行きたい県ランキング」で第三位にランクインしましたからね。

ちなみに一位は京都、二位は青森です。

仕事と家族と恋愛と

有川さんの小説で外せないのは、みんな大好き登場人物たちの恋愛模様です。

それに加え「県庁おもてなし課」では県庁という変化を嫌うお役所の中で成長していく「おもてなし課」と、心温まる家族物語も魅力の一つとして数えることができます。

一つの小説で様々な要素を味わえるので、お子様プレートのようなワクワク感がありました。

特に小説の合間合間に入る、主人公掛水と明神さんの恋愛模様にはやられました。

名前の呼び方ひとつでヤキモキして嫉妬したり、気持ちがすれ違ったり、大変なことも互いのためなら頑張れたり、些細なことで嬉しくなったりする二人の甘酸っぱすぎる関係に表情筋をぶっ壊されました。全治三日です。

また、もう一組のカップルにも追い打ちをかけられました。吉門さんの表情に出さない自覚ありタイプはみんな好きなのではないでしょうか。吉門さんも、彼女側も可愛すぎました。

また、吉門とおもてなし課の成長も特筆すべき点です。

最初はお役所体質で変化を嫌い、民間の時間意識がなく仕事が鈍足でおもてなし課もただの箱物と化していました。

そこで観光特使として出会った吉門の手厳しいアドバイスにより、おもてなし課の職員はどんどん意識が変わっていき働き手としても人間としても成長していきました。

特に掛水のかっこよくなっていく様は最高です。明神さんのため、そして高知を盛り上げるために奮闘する掛水の姿にはさすが明神さんが見初めた男だなと感じさせられました。羨ましいぜ!

そして極めつけに心温まる家族愛。血が繋がっていようといまいと互いの気持ちが通じ合うことがあるんだなと知り、感動しました。

もう本当に内容が詰まりすぎて尻尾までクリームの詰まったたい焼きのような小説でした。これ表現正しい?

最後に

単行本406ページにある一節「ちょっとかわいすぎるだろ、吉門。」

これは掛水のセリフであると同時に、有川さん本人の気持ちも反映されているなと感じました。そういう意味でもこの小説は有川さんの思いが強くこもった小説だと思いました。

もちろん私も口角を吊り上げながら同じ感情を抱いていました。

ちなみにこのブログで私が多紀ちゃんのことを「明神さん」と呼んでいたのは掛水に嫉妬されないためです。決して女の子を下の名前で呼ぶのが恥ずかしいというわけではありません。本当です。

といったところで今回は終わりにしたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

「県庁おもてなし課」、まだ読んだことのない人はぜひ読んでみてください。

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